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<幕の内外>もうけ役 一瞬の登場で観客魅了

2009年7月25日

 「もうけ役」という言葉。辞書には「主役以外で見せ場があり、観客に受ける役」。または「あまり骨を折らずに喝采(かっさい)を浴びる役」とあります。

 歌舞伎にも「もうけ役」と言われる役があります。「与話情浮名横櫛(よはなさけうきなのよこぐし)」の無頼漢・蝙蝠安(こうもりやす)や「伊勢音頭恋寝刃(こいのねたば)」の三枚目の遊女・お鹿などがその代表。

 二枚目からはほど遠い、くだけたキャラで、べらべらと一人でよくしゃべるのが特徴です。

 骨を折らずにいられる役というより、特に蝙蝠安は、芸達者な役者が演じる役。この男は自分では働かず、女房の着物を取り上げて着ているようなゴロツキ。元おぼっちゃまの与三郎をそそのかし、ゆすり、たかりのし放題。口八丁手八丁のイヤミなヤツですが、世話物の自在な呼吸が必要で、現代では、むしろ難しい役のひとつでしょう。

 辞書通りの意味でいくと、もうけ役中のもうけ役が「妹背山(いもせやま)婦女(おんな)庭訓(ていきん)」御殿の場の「豆腐買」。

 蘇我入鹿の妹・橘姫と、入鹿討伐を狙う恋塚求女(もとめ)の婚礼の場にやって来る、娘・お三輪。そこに現れるのは、買い物に出かける御殿のまかない係。被衣(かずき)をかぶり、豆腐箱を持った古風な姿でしゃな、しゃなと歩いてくる。恋しい求女の消息を尋ねるお三輪に、気もそぞろに、姫と求女の様子や、こよいが二人の祝言であることを伝え、「豆腐のご用が急ぐわいの」と、忙しそうに去っていく。

 たったこれだけの出番ながら、独特の風情とユーモアが楽しい役です。昔は三枚目の脇役が演じましたが、近年では幹部クラスが演じるようになり、それにつれて衣装も豪華になりました。

 (イラストレーター・辻和子)
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われ日本の伝統芸能を愛す。そのため記事をここに書きとめ候。参考にされるならば、またうれし。ともに伝統芸能にはまろうではないか。
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あれ、どこで読んだんだっけなと探すことが多いので、ここにたんたんと書き留めることにしました。最新あり、遅いのもあり。鷹揚のご見物を♪


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