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<幕の内外>二役、三役の難しさ 内面まですっかり別人に

2009年8月1日


 芝居では一人の役者が、複数の異なる役を演じる「二役」や「三役」の演出があります。

 素早い早替わりそのものがウリの「お染の七役」「伊達の十役」のような演目もありますが、そういうものは別にして、真逆のキャラを演じて、芸域の広さを見せるのが目的の二役は、なかなか面白いものです。

 替わる役は、性格、身分、年齢はもちろん、性別も異なる場合もあり、立役と女形両方をこなせる「兼ねる役者」の得意分野でもあります。

 「封印切」の新口村では、公金横領の果てに、心中を決意した忠兵衛と、その父親の二役を替わる演出が。「双蝶々(ふたつちょうちょう)曲輪(くるわ)日記(にっき)」の角力(すもう)場でも、キビキビした相撲取りの放駒と、対照的になよなよした若旦那(だんな)の与五郎を替わる場合があります。

 「四谷怪談」では、ヒロインお岩、浪人の佐藤与茂七、小者の小仏小平の三役を替わることもしばしば。

 三役で圧巻なのが「怪談乳房榎(えのき)」。端正で落ち着いた画家・菱川重信、ゴロツキ・蟒(うわばみ)の三次、悪人に脅され悪事の片棒をかつがされる下男・正助を、早替わりも交えて演じます。

 問題は、三次と正助が同時に登場する場面。これは吹き替えといって、背格好の似た役者さんがつなぎとなり、顔を見せないようにして入れ替わります。

 大変にスピーディーで、見ているほうも、いつ替わったのか分からないほど。階段を使い、頭だけを見せながら、うまく替わる工夫もあって、飽きさせません。

 いくら早くても「着替えて出てきただけ」では芝居にならず、内面まですっかり別人に変わっていてこそ、面白い演出と言えます。 (イラストレーター・辻和子)
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われ日本の伝統芸能を愛す。そのため記事をここに書きとめ候。参考にされるならば、またうれし。ともに伝統芸能にはまろうではないか。
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あれ、どこで読んだんだっけなと探すことが多いので、ここにたんたんと書き留めることにしました。最新あり、遅いのもあり。鷹揚のご見物を♪


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