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<幕の内外>『劇中劇』の面白さ しゃれた演出楽しむ

2009年7月4日

 芝居を見ているまっ最中に、突然客席後方から怒鳴り声が! 役者も演技を中断して、あらぬ方向を見ています。歌舞伎ファンなら驚きません。これはみな演出で、演じられている芝居は「劇中劇」だから。

 劇中劇は「芝居の中で演じられる芝居」で、歌舞伎では「極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)」で見られます。幕が開くと、目に飛び込んでくる荒事の芝居。でもよく見ればいつもと違う。舞台は屋根つきの能舞台風だし、下手には半畳の台の上に座って、こちらをにらんでいる人が。突然、花道で酔っぱらいが、男性を引きずり出して大騒ぎ。

 これは江戸時代の芝居小屋の様子を再現したもの。舞台に座る人は「舞台番」といって、劇場のもめ事の見張り役。当時は本当に、客席でしばしば喧嘩(けんか)が起こり、川柳にも、芝居中の役者が「切腹を やめて見ている つかみ合い」という様子を写生した句があるくらいです。

 引きずり出された男性は「火縄売り」で観客の煙草(たばこ)用に火縄(当時のライター)を売る人。

 この劇中劇は「公平法問諍(きんぴらほうもんあらそい)」で、英雄・坂田公平が活躍する古劇。「極付~」が書かれたのは明治時代。劇聖・九代目市川團十郎が、実在した大親分・幡随院長兵衛を初演しました。

 團十郎といえば荒事。芝居全体は実録物風で、劇中劇は明治途中で加筆された改訂版ですが、團十郎好みの古風な荒事が採用されたのでしょう。

 舞台で演奏する長唄奏者まで喧嘩に驚く演技をするのも楽しく、もめ事を収めるために客席から主人公・長兵衛が登場する演出もしゃれています。

 (イラストレーター・辻和子)
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われ日本の伝統芸能を愛す。そのため記事をここに書きとめ候。参考にされるならば、またうれし。ともに伝統芸能にはまろうではないか。
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あれ、どこで読んだんだっけなと探すことが多いので、ここにたんたんと書き留めることにしました。最新あり、遅いのもあり。鷹揚のご見物を♪


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