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<幕の内外>躍動感ある『注進』 合戦の様子、全身で表現

2009年7月11日 東京

 「だれそれの行状を部長に注進した」などと使われる「注進」。辞書では「事件を急いで目上の人に報告すること」とありますが、歌舞伎でもおなじみの用語です。

 義太夫狂言の時代物に登場する演出で、舞台の上段にいる人物に、目下の武者が、戦況を報告する演技をいいます。

 「バタ、バタ、バタ!」という激しいツケ(木を打ちつける効果音)とともに、戦場から駆けつける、血気盛んな若武者。注進の演技のポイントは何といっても「キビキビ、キッパリ」。義太夫のリズムに乗って、合戦の様子を全身で派手に表現。このような台詞(せりふ)つきの一人芝居は、義太夫狂言の特徴で、「物語」という演出とも共通です。

 テレビや映画では、大人数のエキストラを動員して合戦のシーンを表現しますが、歌舞伎は注進や物語の演技で、戦いの様子を再現するわけです。

 武士がからむ時代物の芝居では、たいてい予期せぬ難題が主人公に降りかかる。沈痛なムードを破るような、躍動感あふれる演技は、芝居のアクセントとしても効果的です。

 「盛綱陣屋」の信楽(しがらき)太郎、「絵本太功記」の十次郎が代表的ですが、二人でワンセットのことも。「盛綱~」では、最初に登場する信楽がアバレといって勇猛なキャラ、後に登場する伊吹藤太は道化役で、変化をつけている。

 似たような演出は「本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)」で、武田勝頼を討つため長尾謙信が放つ、二人の武者役でも見られます。謙信の命令を受ける演技は注進の類型で、最初の武者は血気に満ち、後で登場する方は、より重厚。キャラの違いを楽しむ点でも共通です。

 (イラストレーター・辻和子)
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あれ、どこで読んだんだっけなと探すことが多いので、ここにたんたんと書き留めることにしました。最新あり、遅いのもあり。鷹揚のご見物を♪


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