<歌舞伎>『吉野山』で狐忠信 尾上松緑 りりしさと色気 派手やかな舞台

<歌舞伎>『吉野山』で狐忠信 尾上松緑 りりしさと色気 派手やかな舞台

2008年11月8日 東京

 桜満開の吉野山で踊る静御前と狐忠信の主従−。藤間流家元(勘右衛門派)でもある尾上松緑が、東京・新橋演舞場の「花形歌舞伎」(−25日)で歌舞伎舞踊「吉野山」(昼)の狐忠信を演じている。辰之助、松緑襲名披露でも踊ったゆかりの演目で、今回が三回目。「あくまで主従の関係を忘れてはいけないのと、恋ではないんですが、男女の色気も出さなければならず、その辺が一番の課題」と話す。夜は「伽羅(めいぼく)先代萩」の“捌(さば)き役”細川勝元を初役で。 (剱和彦)

 丸本歌舞伎の名作「義経千本桜」の四段目「道行初音旅」が本外題。

 源義経を追って吉野山にたどり着いた静御前(尾上菊之助)。供の佐藤忠信の姿が見えないので、初音の鼓を打つ。すると、どこからともなく現れる忠信、実は父母の皮が張られた鼓を慕う源九郎狐の化身であった。二人は四方の景色を眺めながら踊り始める…。

 「祖父(二世松緑)も得意にした演目ですし、同世代の菊之助さんと踊れてうれしい。東京では初めての披露」と松緑。

 「狐なんですけど、武人としての心も大事。自分の持ち味の強さを出すため、カツラは(両びんをふっくらさせた)ぼかし鬢(びん)でなく、車鬢を使います。化粧は鼻を割り、眉間に獣の縦筋を入れ、狐の“色気”を感じてもらえれば」

 最初に教えを受けたのは先代の坂東三津五郎。その後、尾上菊五郎や、藤間流の藤間藤子、紋寿郎らのアドバイスを受けたという。

 「僕は暴れるものが得意でやってきた人間ですから、なかなか色気を出そうとしても出せない。無理に出そうとすると、いやらしくなってしまうし…」

 竹本が入って、源平が戦った「屋島」での仕方噺(ばなし)のくだり。有名な平家方・悪七兵衛景清と源氏方・三保谷四郎の錣(しころ)引き、忠信の兄・継信が義経をかばって平教経の矢に倒れるところは「戦場の情景が分かるように、きっちり踊ります」。

 最後にコミカルな敵方、逸見藤太(坂東亀三郎)と花四天の登場。狐忠信が小気味よく追い散らす。「昼の部の切なので、派手やかに演じて、お客さまに喜んで帰ってもらいたい」

 一方、「先代萩」の通しで細川勝元が登場するのは、後半の「門注所対決」「控所刃傷」の場。お家横領をたくらむ仁木弾正(市川海老蔵)側と、お家を守る渡辺外記左衛門(市川男女蔵)側が仁木に加勢する管領・山名宗全(市村家橘)の裁きを受け、渡辺側が負けそうになる。そこへさっそうと現れた、もう一人の捌き役・勝元は…。

 「今まで三枚目や強い役柄が多かったので、まさか勝元をやらせてもらえるとは思ってもみませんでした。知と理でどこまでも冷静に仁木を糾弾していくわけですから、セリフのたたみ方などを工夫しなければ。追い詰められ、どんどんエキサイトしていく仁木との対比がうまく出れば」

 このところ、本舞台で舞踊が続く松緑。来年七月には国立劇場で、八年ぶりの第四回「藤間勘右衛門の会」を開く。「祖父や父(三世松緑)のころの先生方が残っているうちに、勉強を重ねていきたい」

 1万5千7百50−2千5百20円。(電)03・5565・6000。

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なんちゃってね。
あれ、どこで読んだんだっけなと探すことが多いので、ここにたんたんと書き留めることにしました。最新あり、遅いのもあり。鷹揚のご見物を♪


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