マネー・ドット・カム・カム:仮名手本忠臣蔵とパニックの終わり

マネー・ドット・カム・カム:仮名手本忠臣蔵とパニックの終わり

 歌舞伎の名作「仮名手本忠臣蔵」は、赤穂浪士の仇討ちに、サブストーリーとして早野勘平、加古川本蔵の死をうまく組み合わせてある。中村勘三郎が10月公演で名演技を見せた。

 勘平は何をやっても、鳥の「いすか」のくちばしのようにかみ合わない。腰元お軽と密会したために主君の刃傷事件の時におらず、どうしても仇討ちの徒党に入りたいがため、妻となったお軽が資金調達に祇園に身売りしたが、代金を持った義父は山賊に殺される。その山賊を勘平が鉄砲で猪と間違えて殺し、懐の財布の大金を持って仲間の元へ走る。翌日、財布は義父のものと判明。不浄な金として突っ返され、自分が義父を殺したと思い込んだ勘平は腹を切る。その必要はなかったのに。

 10月9日に欧米の協調利下げなど相次いで金融危機に対する政策手段が打たれたが、株価下落は収まらず不安感は募る一方だ。しかし、これは翌10日にリーマン・ブラザーズのCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の清算会があり、タイミングがまことに悪かった。勘平の言う「いすかのくちばし」のようにかみ合わない。まだCDSの清算は残っており、いくら米連邦準備制度理事会(FRB)が銀行に資金供給しても企業に回らない。この間ヘッジファンドが資金繰りに困って世界中の株式市場で売り玉を出す。なかなか株価は底を打たないでいる。

 ◇条件はそろった
 しかし、私はパニック売りが終わり、反発に向かう日は近いと思う。環境が激変しているためだ。

 JPモルガン証券のチーフストラテジスト、北野一さんが最近、大恐慌の研究者キンドルバーガーの「パニックが終わる3つの条件」を紹介している。北野さんはこの条件はそろったという。私も賛成だ。

 条件とは、第1に投資資産が理外の安さにまで売りたたかれ、そこに相場の達人として知られる著名人が買い出動する。第2に株式取引所が閉鎖。そして第3は、中央銀行があらゆる物の買い手として登場する。

 第1はウォーレン・バフェット氏が当てはまる。かつてならジョン・テンプルトン氏だっただろうか。

 第2について北野さんは「時価会計の停止が実質的な株式取引所閉鎖に当たる」としている。価格がつかないように市場を閉鎖するか、市場でついた価格を無視するか。要するに同じことだとみる。

 第3が問題だが、まずFRBが準備預金に金利を付与することになった。また、バーナンキFRB議長はコマーシャルペーパーを直接買い取る新機構を作ると述べた。決め打ちに、ポールソン米財務長官から、銀行への公的資金注入を示唆する発言が飛び出した。米大統領選前にできることはしておく、という印象だ。

 底入れから反発に向かい、あの日が大底だったと口惜しがる日は遠くない。勘平は悲観して腹を切ったが、結局早とちりだった。仇討ちの仲間入りを許されるが、絶命する。簡単にあきらめないことだ。

2008年10月28日 毎日

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われ日本の伝統芸能を愛す。そのため記事をここに書きとめ候。参考にされるならば、またうれし。ともに伝統芸能にはまろうではないか。
なんちゃってね。
あれ、どこで読んだんだっけなと探すことが多いので、ここにたんたんと書き留めることにしました。最新あり、遅いのもあり。鷹揚のご見物を♪


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